お掃除の想い出 日常清掃

百貨店の日常清掃の話しです。お客様がお買い物に集中でき、楽しんでいただく環境を作ることは、清掃員の役割です。一番汚れるのはどこか?トイレ!ではありません。と言うのもトイレは汚れていれば、お客様からクレームが入りますし、清掃員が逐一チェックを入れるので、さほど汚れてはいないのです。それはゴミ箱です。ゴミ箱もちゃんと、ゴミを取っていればきれいじゃないかと言われますが、ゴミ箱の下はどうでしょう!お客さんが捨てたコーヒーカップにコーヒーが残っていた。それがゴミ箱を伝って、ゴミ箱の下の隙間に・・・。気付かない清掃員は多いんじゃないでしょうか。床が大理石のような高級な素材であったなら、沁みこんでしまい茶いろの跡ができ、取れません。ゴミ箱が表向きステンレスでも鉄が混じっていれば赤錆が浮き、大理石が赤く染まってしまい修復しにくくなります。小さいことですが、清掃業が行う清掃は見えるところだけきれいにするお掃除とは違い、見えないところも汚れを落とすことです。天井のへこみに溜まったホコリ。通常であればお客様に見えませんからやらなくていいのかもしれませんが、もしそれが落ちてきて、着物の肩に落ちてしまったら。雨が降って濡れていようものなら、ホコリを払った瞬間に黒い筋がついて着物はだめになってしまいます。においもそうです。きれいにしているのに嫌な臭いがするなあと思ったら、便器の裏が汚れていたりします。汚れやそれに伴うリスクはパッとは見えないところにあります。お客様が「なんか臭い」「なんかホコリっぽい」と言うのは案外当たっているのです。そんな時、ゴミ箱を少し移動させてみると、茶色のしみができていたりします。「清掃、やってる?」と私が怒ってしまうのです。お家ではここまでやる必要はありませんが、たまには洗剤を使わす、水だけで拭いたり、洗剤を極力薄くして、拭いてみてください。しばらくすると、においがするときがあります。今までは洗剤のいい香りでごまかされていた部分があります。そこはやり直しです。そうして、少しづつきれいにできるといいですね。