洗剤の恐ろしさを知らないとは。

現在、病院で清掃を行っています。看護士さんに挨拶をしたり、看護助手さんと会話をしたりして勤務しています。階段で拭き掃除をしているので、滑るほどの水分はありませんが、万が一を考えて「滑りやすくなっているんで、気をつけてゆっくり歩いてください。と一言かけるようにしています。そうすると相手も「ありがとう」とか「お疲れ様」、「きれいになるね」などと声を掛けられます。励みになります。こちらが一所懸命やっていると、きっと伝わるのが掃除です。しかし、お客さんには伝わりますが、同じ仲間にはなかなか伝わりません。妬みやゆがんだプライドやスキルを吸収できない情熱の無さが表面化すると、現場も荒れてきます。人間、ここまでできるのかと思うこともあります。今回は洗剤の件です。次亜塩素酸ナトリウム6パーセント溶液に関してです。私が病室の清掃をしていたとき、洗剤を探すためにその階専用のカートの扉を開けました。扉を開けると、「ツーン」とあの臭いがしました。塩素系漂白剤です。強いアルカリ性の薬品で染みや汚れ、果てはめったに死なない「ノロウイルス」さえ、消毒してしまうあの薬です。ご家庭でもお使いになっていらっしゃる人はいるかと思います。「まぜるな!危険」て書いてある洗剤です。実際、酸性の薬品と混ぜると、洗浄能力が低下する以上に、人体に悪影響がある塩素ガスが発生します。これは最悪の場合は死にいたるほど危険なガスです。実際、調べって見ると見つかりました。現在、清掃業界は極端な属性を有する洗剤や薬剤を使用しなくなってきています。毒性の低い中性の洗剤が主流です。清掃業は多くの人がいる場所、密閉されている場所での作業が多く、何かの拍子でアクシデントが発生したら、多くの人を傷つけてしまうからです。私は直ちに上司に報告しました。カートの中を見たが、見つからなかったようです。「ないじゃないか。どこにあるんだ!」と叱責を受けました。私は次亜塩素酸ナトリウムのボトルを持ったまま、その勢いに負けて「スイマセンでした」と言うしかありません。控え室に戻ってからも罵倒は続き、「営業に言ってやる」とかんかんです。「もういいか」自棄気味になっていました。多分次亜塩素酸ナトリウムの意味がわからなかったんだと思います。私が理不尽に怒られている隣の部屋は人工透析・血液浄化の部署です。様々な酸性やアルカリ性の属性の違いや危険性を知り尽くして治療に当たっている医療従事者の方とは違い、清掃員は知識が乏しいのは否めません。よごれを落とすつもりで、会社の信用まで落としてしまうなんてことのないよう祈るだけにしておきます。