眼科の待ち合いでの出来事

現在、通っている総合病院でのお話です。難病と診断され、眼圧が機械ではかれず病院を変わってきた頃の話です。重痛い首と頭を抱え、見えにくくなってきた視界を引きずって、何回目かの診察の時です。中待合で待っているとおじいさんの声で「もう、いい。わしはやらん」と声が聞こえてきました。(なにやってんだろう)と思って聞いていると、どんな患者さんも毎回診察前に行っている視力検査をやりたくないと言うことらしい。(また、わがままな)。看護士さん達が寄ってきてなだめていますが、先週やったから、もういい。の一点張りです、その頃私は毎週通院してましたが、そんなに痛みや恐怖は味わったことはありません。いろんな人がいるんだな。看護士さんも諦めて処置室に帰って行きます。視力検査はお医者さんが病状を判断し、処置するため非常に重要な検査です。治すために必要な通らなければいけない道です。頑なに阻むおじいさんに一体、何があったのか?診察が終わって帰る道すがら、考えていました。すると、私にも思い当たるところがありました。眼圧が下がらず、何度も計りなおしていると、周りの雰囲気はどよーんと重くなってきます。みんなが無口になって、静まりかえります。バフッという風の音だけが響きます。「あーあ」とため息をつきたくなります。きっとおじいさんも同じだったかもしれません。なかなか治らないのは、本人が判っています。視力検査のように数字がばっちり出てしまうと、余計に落ち込んでいきます。でも、診察前の検査はしっかりしなければいけませんね。今はできないことも、次は良くなっているかもしれません。私の難病は治らないとされています。しかし、治す方法が見つかっていないと言うことで、治らないわけじゃないと思っています。そう思うことにしています。