観音さんとの出会い

観音さんとの出会いは、公営住宅に住んでいる頃です。営業をやめて静か過ぎる毎日が続いた日です。近くのお寺や神社にお参りに行き始めました。散歩がてらですが。大きなお寺です。臨済宗のお寺です。その入り口に立っていらっしゃる観音さんが私の漢音さんデビューです。身代わり観音。それが観音さんのお名前です。下から見上げるほど高い位置から、私を見てくれます。本当にきれいなお顔でした。目が見えにくいこともあって、目を凝らしてみていました。観音さんから見たら、なんかすごい怖い顔してると見られたかも知れません。私もこんなきれいになりたいと真剣に思いました。そして、毎週通うようになって、観音さんの顔が変わってきました。優しい顔になったり、きつい顔になったり、それはきっと応えてくれていると感じました。きつい顔をしているときは「がんばれ」と、優しい顔をしているときは「みすずさんは本当に愉快な人」と笑っています。
お参りがすむと、観音さんのそばに座ってお茶会です。春は桜餅や三色団子、蓬もちをお供え後、一緒にお茶を飲みながら食べます。母親のこと、仕事のこと、天気のこと、おいしいねと言いながら話します。お供えするお菓子を買い忘れて、コンビニで買ったチョコレートをお供えしたときは、「何、これ?」と言った感じでした。チュンコ達が歌っているそばで静かな時がながれます。観音さんは忙しいから、たまにはみすずとゆっくりしてくださいね。